[バイオハザードRe3をもっと楽しみたい方へ]バイオハザード3 小説版 レビュー (ネタばれほとんどなし)
こんにちは。りとろです。最近皆さんはいかがお過ごしでしょうか。僕は大学の課題に追われながらも、遊んだり、映画を観たり、ゲームしたりとなんだかんだ充実した日々を過ごしております。
そんな僕が最近ハマっているゲームといえば「バイオハザード」シリーズです。
幼いころから親の趣味で家にあった「デビルメイクライ」シリーズだとか、「パラサイト・イヴ」シリーズだのばっかプレイしていた僕はもちろん「バイオハザード」シリーズも昔から大好物で、「2」、「4」、「コード・ベロニカ」や、「アウトブレイク」などもよくプレイしていました。成長してもその嗜好は変わらず、時間を見つけてはコツコツ「Re2」をプレイし、プラチナトロフィー獲得までやりこむことができました。
そんな「バイオハザード」シリーズの最新作「バイオハザードRe3」は皆さんプレイされたでしょうか。僕はもちろん発売日に予約購入してプレイしました。「Re3」に同梱されている、「バイオハザード レジスタンス」共々、とても楽しんでプレイすることができているのですが、「あれ、ここってこんなストーリーだっけ」とか、「こんなに短かったっけ」とか、プレイ中に少し引っかかってしまう事がたびたびありました。
ツイッターやレビューサイトを覗いてみても、僕と同じような意見がちらほら見られました。「Re3、面白かったけどストーリーちょっと変わってたよね」
「原作3にあった時計塔ステージが無くなってて、短くなってる…?」
もちろん、この記事を今ご覧になってくださっている皆様の中にも、「3」と「Re3」の変更点に違和感を抱いていて、もう一度「3」を復習したいと思っている方もいれば、「3」は未プレイだけど「Re3」はプレイしたから、原作のストーリーも知りたい!という方もいることだと思います。
実は、バイオハザードRe3のリメイク元である「バイオハザード3」と、「Re3」では、違う点がかなり多いんです。
主な例を挙げると、「Re3」では最序盤に登場し、ジルを導き、最期は自分を犠牲にしながらもジルを助けてくれたキャラクターである、元STARSメンバーのブラッドは原作「3」ではあんなに勇敢な人物ではありませんし、「3」に登場する時計塔などのステージ、グレイブティガーやブレインサッカーなどの一部のクリーチャーも「Re3」には登場しません。
これらの情報を聞いて、簡単に「3」のストーリーを知りたい人向けに、公式ノベライズ版である「バイオハザード5 追跡者ネメシス」を紹介したいと思います。
「バイオハザード5 追跡者ネメシス」
初版発行年 2005年9月25日 S.D.ペリー作 野下祥子 訳
こちらが公式ノベライズ版「バイオハザード3」です。ちなみになぜタイトルが「バイオハザード5」なのかといいますと、こちらの作者の方であるペリーさんは6冊バイオハザードのノベライズをされていて、
1作目「バイオハザード1 アンブレラの陰謀」 →初代のノベライズ
2作目「バイオハザード2 悪夢の洞窟」 →オリジナルストーリー、レベッカが主人公
3作目「バイオハザード3 死者の町」 →バイオ2のノベライズ
4作目「バイオハザード4 地下世界」 →オリジナルストーリー、レオン、クレア、レベッカが主人公
5作目「バイオハザード5 追跡者ネメシス」 →バイオ3のノベライズ
6作目「バイオハザード6 コード・ベロニカ」 →コードベロニカのノベライズ
という風になっており、ペリーさんのノベライズ化したシリーズの中では5作目なので「バイオハザード5」と名付けられている訳ですね。
本作のおすすめポイント① ゲームでは分かりづらいジル、カルロスの心境が細かく描写されている。
一つ目のおすすめポイントは、主人公であるジルとカルロスの心理描写が丁寧になされており、ゲームよりもさらに深くキャラクターに感情移入することができるという点です。
例えば、「1」、「3」で主役のジル・バレンタインは、各作品でたびたび、強く芯のある女性だが、内には繊細さも秘めている。とされている。個人的には「1」や「3」の辞典ではクレアよりも女性らしい印象が強い(デルタフォース所属経験のある特殊部隊の隊員よりもメンタルが強くて、グレネードランチャーまで扱える女子大生ってなんだよ) のですが、内に秘めた繊細さって、あまり描写されていませんよね。(強いてあげるとするなら、リメイク1で吐いたシーン?)
しかし今作では、彼女は死者の町と化したラクーンシティにおいて、逃げ遅れた人を助け、アンブレラの悪事を暴くために奮闘するが、ときには町を徘徊するハンターやネメシスに恐怖心を覚え、気丈にふるまうも、その内心では出くわさないように怯えているという彼女の一面も描写されています。
今作で僕の好きなシーンの内の一つにジルが孤立無援の絶望的な状況に現実逃避をし、妄想に耽るシーンがあるのだが、そこでのジルの妄想がとても面白い。
私の目の前にロケットランチャーを持った背の高い100人のイケメンがいきなり現れて、化け物たちをやっつけた後に白い歯を見せて私に微笑んでくれるの。(要約)
みたいなジルの逆ハーレム的な現実逃避も相まって、超人的な精神、肉体を誇るバイオ主人公を少し身近に感じることができます。
カルロスは「Re3」のクールで情に熱く、頼れる熱血漢・・・というイメージとは少し違い原作の若く(21歳、ちなみにジルは23歳なのでカルロスの方が年下)南米系のイケメンで少しチャラく、軽口をたたくキャラではあるものの、芯の部分は変わっておらず、内心ではジルやミハイルのことを心配していたり、自分のことなど二の次といった、彼の内に秘める優しさがこの小説に登場するカルロスからは読み取ることができます。
おすすめポイント②本作3人目の主人公、ニコライ視点で描かれるストーリー
本作では、先ほど挙げたジル、カルロスだけでなく、「Re3」でもアンブレラに雇われ、途中でジルやカルロスを裏切るニコライの視点でも話が進んでいきます。
原作「3」や「RE3」で示唆されていた、ゲームでは直接描写されなかったニコライの残虐な行いが、作者のオリジナル要素を混ぜ入れながら描かれています。
この部分が非常に面白くて、ニコライの利己的で冷徹な部分がこれでにかという風に描かれています。
彼視点から見たミハイル、カルロス、ジルの人物評や、抱いている感情などが細かく表現されており、ニコライにこれだけスポットをあてた作品はこれまでもありませんでしたし、これからも無いでしょう。正直僕はこのパートだけでもおつりがくると思いました。
おすすめポイント③ 原作では描かれなかったU.B.C.S壊滅の場面が描かれている。
次のおすすめポイントは、ゲームでは直接的に描写されなかったカルロス、ミハイル、ニコライや「Re3」ではメイン級キャラに昇格したタイレル達が所属している「アンブレラ・バイオハザード対策部隊 U.B.C.S」の描写です。
「U.B.C.S」はジルとカルロスが出会う頃にはすでに壊滅状態でした。「ゾンビたちに襲われて隊員のほとんどが死亡した」くらいしかゲームでは分かりませんが、本作ではカルロス、ニコライの二人の視点からUBCS壊滅の場面が描かれています。
「RE3」の電車の場面でミハイルがニコライに言った「知性を持たないゾンビが部隊に奇襲をかけるとは実に妙だ。」と疑いをかけるシーン。この小説版「バイオ3」では、ニコライの部隊がゾンビ達と交戦するシーンも描かれており、彼以外の全員が何故死んでしまうようなことが起きてしまったのかを知ることができます。それを知ることにより、「3」はもちろん「Re3」の世界観もより一層楽しむことができます。
さいごに
こんなに長い文章を最後まで読んで下さりありがとうございました。この小説「バイオハザード5 追跡者ネメシス」は昔約10年前に初めて読んでから何度も読み返した小説ですので、紹介できてうれしかったです。そのうち他の5冊も紹介記事書こうかな。と思っています。この記事を読んで興味を持って下さった方は是非とも読んでみてください。それではありがとうございました!!
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